Rengedouji1’s diary

グローバル・サプライチェーンをトレースするため、英字紙を(ひたすら)和訳し、サマリーします!

COSCO:数十億ドル規模の負担に直面、米国港湾使用料で

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ロードスター誌:2025年9月16日付け記事

theloadstar.com

(要旨)

1.太平洋航路で活動する唯一の中国定航船社「COSCO」と「Hede Shipping」。

→ 中国建造船による米国寄港の配置換えを一切行っていない。

 

2.シンガポールの海事コンサルLinerlytica社の分析。

→ 今後6か月間で、両社はそれぞれ最大「$10.2億ドル(COSCO)」と「$4千万ドル(Hede)」の港湾使用料を負担することになるだろう。

 

3.フランスの海事コンサルAlphaliner社の推計。

(a)「COSCO」の太平洋サービス船腹量は約70万TEUだ。

( b) この中国国営船社は「CMA CGM」および「MAERSK」に次ぐ、太平洋航路のサービス船社における第3位のポジションに付けている。

 

4.Linerlytica社の分析。(その2)

→「COSCO」の太平洋航路サービス本船x70隻は「全て中国で建造」されている。

 

5.COSCOとしては「中国政府がトランプ政権との貿易摩擦を解決してくれる」との期待感を抱いていると(業界関係者の間ではそのように)理解されている。

(a) これは「『米国通商代表部(USTR)が、2026年4月から、段階的に当該使用料を引き上げる』と発表しているにも関わらず」だ。

(b) トランプ大統領は、特に「海運」と「造船」における中国の経済的優位性に対抗しようとしているのだ。

 

6.国営企業の唐山港グループ傘下のHede Shipping。

(a) 2024年後半に太平洋航路サービスを開始。

(b) 現在では12隻の本船を保有

→ 太平洋サービス船腹量は約3万TEUに達している。

 

7.「MSC」「GEMINIコーポレーション」「PREMIERアライアンス」メンバー船社の動向について。

(a) これらのアライアンス船社(↑)は、中国建造船の米国からの配置転換を進めている。

(b) 一方、「CMA CGM」と「ZIM」はこれまでのところ「動きを見せていない」。

①   9/17配信「【ご参考情報】スポット相場の値差拡大:北欧州は弱含み、太平洋サービスはGRIが下支え」

②   9/12配信「【ご参考情報】CMA CGM:今のところ…「NO」、“USTRサーチャージ”に」

 

8.「CMA CGM」は太平洋航路で、60隻を超える本船を運航している。

(a) 総船腹量も70万TEUを超える。

(b) 中国建造の本船は10隻未満だ。

 

9.Linerlytica社の試算。

→「CMA CGM」および「ZIM」は、当該使用料が導入されてから最初の6か月間で、以下の請求額に直面する可能性がある。

① CMA CGM:最大$3700万ドル

② ZIM:同じく$3500万ドル

 

10. Linerlytica社の分析、(その3)

(a) 米国通商代表部(USTR)の通商法301条に基づくサービス料(米国港湾使用料)は、10月中旬に発効する際、太平洋航路のサービス船社に等しく影響を与えることはないだろう。

→ この港湾使用料の負担の矢面に立つのが「COSCO」となるためだ。

(b) 中国船社以外では、その大半が当該手数料を完全に免除されるだろう。

(c)「CMA CGM」と「ZIM」が、その主な例外となるだろう。

→ 但し、両社が被るUSTR手数料は「COSCO」が負担する額のごく僅かでしかない。

 

11.デンマークフォワーダーDSV社は、今週メディアに対して次のように伝えた。

(a) かなりの船社が、当該コストを顧客に転嫁していないようだ。

(b) また、今回発表された料金だが、実際問題として、どのように適用されるかが依然として分からない状況だ。

→ そのため、顧客の間で不透明感が生じている。

★ 本年10月14日(火)付けで導入される「米国港湾使用料」に関して、いくつかのメディアでも徐々にですが、取り上げられる回数が増えてきた印象があります。

★ この通商法§301に基づく港湾使用料では、何が最大のターゲットにされているのか?――、先ずはこの問題に焦点が当てられているようです。(10項)

★ そして次に、誰がどれくらいの負担を強いられるのか?――、実務担当者としては、実はここが一番知りたいところではないかと思います。(同上)

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★ この港湾使用料の最大ターゲットが「中国および香港に登録された中国船社」&「中国建造船」であることは既報の通りです。

→ 9/12配信「【ご参考情報】CMA CGM:今のところ…「NO」、“USTRサーチャージ”に」

★ そして、次に、実務関係者が最も知りたがっていることとして、上記の通り「関連するサーチャージの具体的な金額」です。

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★ ここ数日、複数の業界誌情報を繋ぎ合わせて想像していた1つに、「COSCO」と「OOCL」を使用すると「確実にサーチャージが発生するのでは?」ということがありました。

★ ですが、今段階では「どこの船社も顧客に転嫁する動きを見せていない」。。

★ 正直なところ、このような「無風状態?」に対して、かなりの不気味さを感じている次第です。

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★ この記事でレポートされているように、この港湾使用料に関して負担することが見込まれる金額は、かなり額に上ります。(2項、9項)

★ しかも、その中国船社たる「COSCO」も「Hede Shipping」も「中国建造船による米国寄港の配置換えを一切行っていない」とレポートされています。(1項)

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★ 一方で、「GEMINIコーポレーション(MAERSK+H-L)は、米国東岸と西海岸の両方に寄港するUS2航路で、中国建造船x6隻で合計6万TEUを入れ替えている最中だ」というレポートも目にしたばかりです。(7項)

→ 9/17配信「【ご参考情報】スポット相場の値差拡大:北欧州は弱含み、太平洋サービスはGRIが下支え」

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★ 実は、別記事になるのですが、COSCOに対するUSTRの通商法§301に基づく今回の措置(港湾使用料)は「COSCOが中国政府から$1.67億ドルの補助金を受け取ったことに端を発した」というレポートがあります。

★ 穿った見方をすれば、COSCOとしては、$1.67億ドルもの軍資金があれば「この港湾使用料の問題は(何もしなくても)乗り切れる」と踏んでいるのかも知れません。

★ それがあるからこそ、この問題は「中国政府が解決してくれる」とCOSCOが考えているとすれば、5項のレポートにも合点がいきます。

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★ ともあれ、繰り返しになりますが、港湾使用料に係る一切のサーチャージは、現段階では発表されていません。(11項(a))

★ 但し、このまま「何事もなく済む」のかどうか?――、非常に疑わしいので(笑)、注視しようと思っています。

 

以上