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英ロードスター誌:2026年2月26日付け記事
【記事のポイント】
1.「日本~欧州」直行便の独占的確保
(a)「PREMIERアライアンス(ONEなど)」が日本直行便を廃止し、韓国・釜山での積替え(フィーダー輸送)へ移行する。
(b) その間隙を突く形で、「CMA CGM」が4月から単独の直行サービス「オーシャン・ライズ(Ocean Rise)」を開始。
2.「積替えなし」に特化した異例のスケジュール
(a) 新サービスは「神戸」「名古屋」「横浜」から欧州へ直行する。
→ 他社が必ず寄港する東南アジア(シンガポール等)での積替えすら行わない、
(b) 日本の輸出業者を明確に狙い撃ちした「専用便」に近い構成となっている。
3. アライアンス外の「単独運航」による機動力
(a) 通常の協調配船(OCEANアライアンス)の枠組みを外れ、自社船のみ(x14隻投入)で運航。
(b) これにより他社の意向に左右されず、日本市場のニーズに特化したサービス提供が可能に。
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【記事の詳細】
1.「」CMA CGMは、単独のアジア~欧州サービスを間もなく開始する。
→ 日本の輸出業者向けに、直接寄港サービスを提供する模様だ。
2.本誌ロードスターは昨年12月、「来る2026年4月、世界第4位の経済大国が、欧州向けの最後の直行便を失う」とレポートした。
(a)「PREMIERアライアンス」の2026年アジア~欧州ネットワークから、日本港湾向けの全直行便が廃止される予定となっている。
(b)「GEMINIコーポレーション」の戦略(ハブ&スポーク)に最も明確に類似している動きとして、その「PREMIERアライアンス」のメンバー船社「ONE」がいる。
→ その「ONE」は、「日本と他のメンバー船社『HMM』の釜山ハブとを結ぶ、新たなフィーダー・ネットワークを導入する」と発表した。
3.「ONE」のコメント。
(a) 追加の専用フィーダー・サービスは「高雄」「厦門」「東京」「神戸」「名古屋」向けで提供される予定だ。
(b「釜山」を経由することで、東西ループへの「シームレス』且つ「確実な接続』を確保するつもりだ。
4.但し、海運業界は自然界とほぼ同様、「真空状態」を嫌う。
→ フランス船社CMA CGMは「4月に『オーシャン・ライズ』サービスと名付けた日本~北欧州の新航路を開設する計画」と報じられている。
5.フランスの海事コンサルAlphaliner社は、今週次のように記している。
(a) このタイミングは、北欧州~日本~米国西海岸を結ぶ「PREMIERアライアンス」の「FP1」振り子サービスの終了と軌道を一にするものだ。
(b) このサービス(FP1)は現在、日本の港と北欧州を結ぶ、唯一の直行便を提供している。
(c) このサービスには7,500TEUから9,300TEUの船腹を持つ本船x14隻が投入される見込みだ。
(d) その初航海は4月2日(木)に神戸を出港する8,000TEU型本船『CMA CGM Byblos』となる予定だ。
6.この本船「CMA CGM Byblos』は現在、「CMA CGM」が「MAERSK」と共同運航するアジア~南米東岸航路「SEAS3」に投入されている。
(a) 但し、今後の運航スケジュールによれば、4月2日(木)に神戸港に入港後、直ちに同港を出港し、翌日に名古屋港に到着する予定となっている。
(b) 提示されている「オーシャン・ライズ」サービスの寄港地ローテーションは、「神戸」→「名古屋」→「横浜」→「厦門」→「塩田」→「ROTTERDAM」→「HAMBURG」→「SOUTHAMPTON」→「南沙」だ。
7.特筆すべきは、他のほぼ全てのアジア~欧州サービスとは異なり「『オーシャン・ライズ』サービスの仮スケジュールには、東南アジアでの積替え寄港が含まれていない」ということだ。
→ このサービスが、「欧州向け日本輸出業者を専らターゲットとしている」ことを改めて示すものだ。
8.さらに、「CMA CGM」は、このストリング・サービスも、単独運航で実施する意向のようだ。
9.ノルウェーの国際物流コンサルXeneta社のeeSea定航船データ・ベース。
(a)「CMA CGM」はこれまでに、本サービス向けにx9隻の本船スロットを割り当てた。
(b) さらに、これらは全て「CMA CGM Byblos」に加え、CMA CGM運航船となる「Cypress」「Berlita」「CMA CGM Yukon」「CMA CGM Mekong」「APL Charleston」「CMA CGM Shanghai」を含む内容となっている。
10.Alphaliner社は今週、次のようにも記している。
(a) 今後のスケジュールでは「オーシャン・ライズ」サービスは、このフランス船社CMA CGMの船腹だけで運航される予定となっている。
(b) これは同サービスが、「OCEANアライアンスの作業スコープ」の外で運航される可能性を示唆するものだ」。

★ 2026年4月から主要アライアンスが日本直行便を廃止し、「釜山ハブ」などを経由するフィーダー輸送(積替え)へシフトします。
★ そんな中、「CMA CGM」が単独で日本~北欧州の直行サービスを維持・開設するという決定を行いました。
★ 日本の荷主にとって極めて重要なオプションとなるものです。
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★ 一方で、日本の輸出業者としては、直行便がなくなることで「リードタイムの長期化」や「積替えによる遅延・ダメージリスク」を懸念していました。
★ その日本荷主(特に精密機器、自動車部品、化学品などの高品質な輸送を求める企業)にとって、2026年4月以降も「日本主要港から欧州まで積み替えなしで届く」ルートが確保されることになりました。
★ サプライチェーンの安定性において大きな安心材料となるに違いありません。
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★ このニュースで注目すべき点は、東南アジア港での積み替えを排除したことだと思います。(記事の詳細:7項)
★ 通常、アジア~欧州航路では「SINGAPORE」などの東南アジア港で積替えを行います。
★ ですが――、この「オーシャン・ライズ」の仮スケジュールにはそれが含まれていません。
★ これは、「日本の輸出業者を明確なターゲット」に据えた、極めて特異で差別化されたサービスであることを示すものだと思います。(同上)
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★ また、他船社が効率化のためにハブ集約を進める中、「CMA CGM」は、直行便という付加価値を提供することで、日本マーケットにおけるシェアを一気に拡大しようとする攻めの姿勢を見せています。
★ さらに、「CMA CGM」は、第一便となる本船として、「CMA CGM Byblos」を投入する構えでいます。
★ 特徴的なのは、この本船は現在、南米航路(SEAS3)に就航しているということです。
★ 「CMA CGM」は、この本船を(わざわざ?!)南米航路から転用(カスケード)することを通じて、グローバルなネットワークの中で戦略的に船腹を組み替えて対応しようとしています。
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★ ところで、今回の「CMA CGM」の決定は、他船社が「ハブ&スポーク」に代表される効率化に向けた動きをする中で、まさに「逆張り戦略」と言うべきものだと思われます。
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★ この「逆張り戦略」の背景には、「CMA CGM」が、日本を「成長マーケット」として見るのではなく、「他社が捨てた高単価・高品質なニッチ市場」として再定義した結果――、そのように捉えることが出来そうです。
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★ 物流における「直行便」というカードは、日本の製造業が最も重宝する武器の筈です。
★ 「CMA CGM」としては、それを独占することの政治的・経済的影響力は、単なるGDP輸出比率15%以上の価値がある――、そのように見ている可能性が高いと思われます。
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★ 今回、「CMA CGM」は、他社が釜山経由で「いかに安く運ぶか」という消耗戦を繰り広げる中、「日本からの直行便が欲しいなら、うちしかない」という独占状態を作り出しました。
★ こうすることで、価格決定権を自社で握る(コモディティ価格に振り回されない/価格競争から脱却する)ことが可能になると思います。
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★ さらに、CMA CGMは、中型船(7500TEU型~9300TEU型)を(敢えて)投入することで、超大型船(20,000TEU型など)では寄港が難しい、あるいは非効率な日本の主要港にダイレクトに寄港しようとしています。(記事の詳細:5項(c)、6項)
★ これなどは、東南アジアの寄港すら飛ばすことで、「日本~欧州」のリードタイムにおいて圧倒的な優位性を確立する表れと見て良いと思います。
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★ それと、日本の荷主は、かつての物流混乱(コロナ禍の時期など)を経て、積替えリスクを極端に嫌う傾向が強まっているとの理解です。
★ 他社が「効率」に走って捨てた「安心・安全」という価値を、「CMA CGM」は「あえて拾いに行く」ことで、日本マーケットにおけるロイヤリティを独占しようとしている――、そのような受け止めでおります。
以上